AIを活用した外観検査ソリューションで検査工程の自動化を実現

 2021.02.08  HOYAデジタルソリューションズ株式会社

これまで主流だった人間の目視による外観検査では、人員確保の難しさや誤判定の頻発などが課題とされています。そこで近年導入が進んでいるのが、AIを活用した外観検査ソリューションです。本記事では、AIを活用した外観検査の仕組みや、導入のメリット、注意点などを解説します。

AIを活用した外観検査とは

「外観検査」とは、製品や部品の品質を保証するために、外観をチェックする検査のことです。限度見本と見比べながら、食品パッケージの表面に付着した異物・布に付着した汚れ・ゴムや樹脂を成形したときに生じる欠け・金属についた傷・塗装面の艶や変色、といった外観上の欠陥を確認し、「良品か不良品か」を判断します。

外観検査は業界を問わず実施されており、従来は人間の目による目視検査が主流でした。しかし近年では、AIを活用して外観検査を自動化する企業も多くなってきています。

AIによる外観検査ではまず、製品や商品を撮影して、その画像もしくは動画を画像認識技術で解析し、良否の規則性をAIに学習させます。そうして学習したAIに、外観の欠陥を自動検出してもらう、という仕組みです。コンピューターを使うことから、人間による目視検査に比べて検査判断を平準化しやすく、省人化によるコスト削減が期待されています。

従来の外観検査の課題

目視検査では判断基準が曖昧になりやすく、検査員の体調や経験によって判断にばらつきが出たり、欠陥の見落としが生じたりする可能性があります。実際、気泡を異物と誤判断するケースが多発している状況です。

目視での判定精度を高めるためには、肉眼での目視検査に加えて拡大鏡や顕微鏡を用いた検査が必要になります。加えて、目視検査ではラインの流れを高速化できないため、生産効率を引き上げることも困難です。

このように、人手による外観検査は手間と時間、人件費がかかります。そのうえ検査員の人員確保が難しく、検査ラインを増やせないことなどが課題となっていました。

なお、外観検査の自動化には画像認識も活用されてきました。画像認識による外観検査では、撮影した製品の画像を画像処理装置に送信し、位置や角度、形状などを割り出し、限度見本のデータと照合して良否判定を行います。しかしながら、定量化が難しい検査項目を良否判定する際に、コンピューターが誤判断する可能性があるため、画像認識も万能とは言えません。

AIによる外観検査の仕組み

上述した従来の外観検査の課題に対するソリューションとして、現在普及しつつあるのがAIによる外観検査です。まず、ラインを流れる製品の画像もしくは動画を撮影し、そのデータをコンピューターに転送します。そのデータを受け取ったAIが、機械学習によるアルゴリズムに基づいて、良品か不良品かを判定し、その結果をコンピューター画面に表示する、という仕組みです。

このAIによる外観検査では、主に「ディープラーニング」と「学習用データに基づく半自動的なモデル作成」という2つの機能が活用されています。

ディープラーニングとは、AIによる機械学習の一種です。コンピューターは、画像を与えられただけではその内容を認識できません。そのため、無数の画像および動画データを与え、良品と不良品それぞれのパターンをAIに学習させることで、両者を見分けられるようにします。そうして、AIが学習したデータに基づき、良品か不良品かを判定するための理論モデルは半自動的に作成されるので、エンジニアがアルゴリズムを設計する必要はありません。

外観検査にAIを活用するメリット

AIによる外観検査では、省人化やそれに伴うコスト削減、品質の維持などが期待できるとご説明しましたが、メリットはそれだけではありません。

モデル化の難しい事例も対応可能

AIによる外観検査では、AIに大量の画像および動画データを学習させることで、判定の精度を高めます。人間では良否判定の難しい事例でも、対応可能なまでになります。従来の画像認識とは違い、エンジニアの業務は、良否判定用のアルゴリズム構築ではなく、AIの学習用データを準備するだけに限定されます。

汎用性の高い手法のため横展開が可能

外観検査の品種が多い場合や、チェック項目が多岐にわたる場合、従来ではそうした事項一つひとつに関して、良否判定用アルゴリズムを構築する必要がありました。そのため膨大な時間と労力、コストが発生していたのです。

それに対し、ディープラーニングを活用すれば、汎用性のあるモデルを半自動的に確立できます。そのため、少ない労力とコストで多項目・多品種の外観検査を自動化することが可能です。

要件の変更も柔軟な対応が可能

市場の変化によって検査すべき項目や判定基準を変更しなければならない場合、これまではエンジニアが判定に必要なアルゴリズムを調整しなければなりませんでした。その点、AIによる外観検査では、新しい学習データを追加するだけなので、要件の変更についても柔軟に対応していくことができます。

外観検査にAIを活用する時の注意点

このようにさまざまなメリットがある一方で、AIによる外観検査には、まだ解決すべき課題も残っています。外観検査にAIを活用する際の注意点を確認しておきましょう。

一定量の学習用データの量と質が必要

AIの学習が進むにつれて、良否判定の精度は自動的に高まっていきます。一般に、ディープラーニングには膨大な量の学習用データを要します。このとき、識別が困難なデータを学習用に用意すると、判定精度向上に有効です。

しかし実際には、そう何個も不良品が出るわけではありません。要件に見合った質および量のデータを収集するには、それなりの手間がかかります。また、集めたデータには良品か不良品かのラベル付けも必要です。そうした実践面のことも考慮しつつ、データを用意しましょう。

ベンダーの技術への理解が必要

AIによる外観検査の手法はすでに広がっていますが、データの取り扱い方法を誤ると、精度の低い判定結果しか得られない恐れもあります。判定精度を保証するためにも、ディープラーニングに関する技術を有し、データの取り扱いに長けているAIベンダーと組むことが重要です。

まとめ

外観検査にAIを活用すれば、これまで人間が行っていた確認作業を自動化し、さらに判定の精度を一定に保つことができます。良否判定のアルゴリズムもディープラーニングによって自動的に学習および確立してくれるので、エンジニアへ、アルゴリズム解析・変更のための負担を強いることもありません。

ただし、AIによる外観検査を成功させるためには、データ活用に詳しいAIベンダーの支援が必要です。

「HOYAデジタルソリューションズ」では、AIに関する専門知識やデータの質と量に関する知見など、AIを活用した外観検査に必要なノウハウをワンストップで提供します。既存の外観検査プロセスに課題を抱えている場合は、HOYAのAIソリューションを活用してみてはいかがでしょうか。導入を躊躇している方や、試験的な導入をお考えの方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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