日経xTECHの記事「木村岳史の極言暴論! 「失敗を恐れずデジタルに挑戦」という発言、お笑いネタになるワケ」を読んでいてその通りと思った次第です。
既存企業のデジタル化への取り組みはPoCばやりであるが、管理が甘く「失敗をおそれずチャレンジする」ことになっていないのが実態であり、このような取り組みではデジタルを使った新規事業を立ち上げられるわけがないとの主張です。
このようなことは以前にもあり、ERPによる業務改革がまさにそれだったと述べています。ものすごい時間とコストをかけたが、誰も責任を取ろうとしないので何の改革も成さず、単にERPのアドオンを無数に作っただけで終わったと。
これが多くの過去のERP導入の実態であったということについては同感です。
筆者は、ERP導入で業務改革が進まないことにずっと問題意識を持ち、何とかこの実態を改善したいと努めてきました。
現行システムベースで書かれたRFP、おおざっぱでシステム機能に何を求めるのかがあいまいなRFPなどRFPの不備も大きな原因と考え、業務見直しを行った上でRFPを作成するサービスを始めたのです。
ただ単に業務見直しを行ったのでは、ERP導入の際にアドオンが増えてしまう恐れがあるので、ERPの概念を前提とした業務見直しを行うようにすることで、実効性のある業務改善を実現することができるようにしました。
業務プロセスの改善を取り込んだ新業務プロセスを描き、その業務プロセスを実現するERP導入を行えば業務改善が実現できるわけです。しかもERPの概念を前提とした業務プロセスですので、アドオンも多くはならないのです。
ERPの導入を検討される企業では、いきなりERP導入プロジェクトを始めるのではなく、ERP導入を前提とした業務見直しを行い、その上でRFPを作成することをお薦めいたします。