海外拠点にERPを導入してグローバル統合を実現。条件や課題を解説

 2021.03.15  HOYAデジタルソリューションズ株式会社

IT技術の進歩に伴い、世界のマーケットを視野に入れた事業展開が求められています。グローバルな競争力を高めていくには基幹系情報の統一管理が必須であり、その役割を担うのが「ERP」です。そこで今回は、ERPを導入してグローバル統合を実現するための条件や課題について解説します。

グローバルERPとは

「ERP」とは「Enterprise Resources Planning(エンタープライズ・リソース・プランニング)」の頭文字を取った略称です。直訳すると「企業資源計画」となり、企業がもつリソースを統合的に管理し、効率的運用を目的とした概念を意味します。そして、国内だけでなく海外拠点にもERPを導入して、経営を効率化する計画のことを「グローバルERP」といいます。

企業資源を有効活用するための基幹系情報システムを「ERPシステム」と呼び、これを導入することであらゆる業務データの可視化が実現します。財務会計管理・顧客管理・人材管理・サプライチェーン管理など、様々な業務プロセスを見える化することにより、組織全体の業務効率を最大化できます。

グローバルERPの主な目的

海外での事業展開を成功させるには、情報の共有が最重要課題といっても過言ではありません。海外拠点の仕入れから販売に至るサプライチェーン管理、財務会計管理、システム管理など、様々なデータをリアルタイムに把握できなければ意思決定の遅れに繋がり、ひいては経営戦略に支障をきたします。

そうした背景から、ニーズが高まっているのが「ERPのグローバル化」です。国が違えば当然、言語も文化もスキルも異なります。そうした壁を乗り越えるには、情報を一元管理するシステムの導入は必須であり、その役割を果たすのがERPシステムです。グローバル環境で標準化されたシステムを構築することで、企業の基幹系情報を統一管理し、低コストで無駄のない海外進出や、グローバルレベルの顧客満足度向上の実現を目指します。

日本企業の海外進出動向

IT技術の発達とともに日本企業のグローバル化が進んでいます。少子高齢化と人口減少による日本市場の縮小も、海外進出増加の要因といえるでしょう。

経済産業省が行った「第49回 海外事業活動基本調査概要」によると、2018年度末における現地法人数は2万6,233社で、前年度と比較すると減少傾向にあるものの、現地法人従業者数は605万人と前年度比で+1.7%増加しています。また、現地法人の売上高は290.9兆円と前年度比+1.0%を記録し、経常利益と当期純利益ともに増加しています。

・「参考サイト

アジアやヨーロッパ、アメリカら主要国と比較すると、経済成長率はやや劣りますが、今後も日本企業のグローバル展開は加速していくと予測されます。

海外拠点にERPを導入する際の課題

ERPを導入して活用するためには、乗り越えなくてならない壁がいくつか存在します。ここでは、海外拠点にシステムを導入する際の課題について見ていきましょう。

リアルタイムの情報共有が難しい

ERP導入の目的は、企業資源を一元管理して経営の合理化を図ることです。しかし、海外拠点のデータは現地の独自システムによって管理されており、本社はそのデータを自社システムに照合して分析しなければなりません。そのため、データの収集・取得に時間がかかり、リアルタイムでの情報共有の実現は困難といえます。海外拠点との正確かつ迅速な情報共有の実現が、今後の大きな課題といえるでしょう。

各国の法規制・言語への対応

国境を越えた事業展開において最大の障壁となるのが、言語と文化の違いです。言語の違いはコミュニケーション不全によるトラブルを招く原因になります。また、現地の法律に則った事業展開を行うのはもちろん、通貨も異なるので、決算処理も為替レートを確認しながらの作業となります。海外展開する際は、各国の法規制や会計制度、言語、通貨など、様々なものに対応しなければなりません。

海外拠点のコンプライアンス問題

企業とは、商品やサービスを提供して利益を得る組織です。しかし、ただ利益を追求するだけが企業の存在意義ではありません。法令を遵守し社会貢献に尽力することも、企業がもつ重要な役割です。コンプライアンスは企業の信頼性を左右する重要な要素です。国境を越えて事業を展開する場合、本社と海外拠点のコンプライアンスの可視化・共有に取り組まねばなりません。

膨大なコストと時間がかかる

ERPの導入・運用には、膨大なコストと時間がかかります。たとえば、ライセンス費用やサーバーやネットワーク機器の費用、システムの保守・管理に必要な人件費など、様々な費用を必要とします。これらはあくまでも国内事業のケースであり、海外拠点にも同様のシステムを組み込むとなると、さらに膨大なコストと時間を要するでしょう。

また、導入後も国によって管理システムが異なるため、データを収集するだけで数日かかることもあります。国内事業であれば本来不要の業務を行う必要があるため、作業効率の低下や意思決定の遅れなどが懸念されます。

海外拠点でERPを導入するポイント

財務や人事、仕入れから販売に至るサプライチェーンまで、あらゆる企業データを統一管理するERPは、経営戦略において要となるシステムです。ここからは、そんなERPを海外拠点に導入する際のポイントについて解説します。

低コスト・迅速な導入

ERP環境を構築するとなると、会計制度の対応や追加開発などに多くのコスト・時間を必要とします。そうした背景から、ERPはオンプレミス環境からクラウド環境へとトレンドが移行しています。自社でサーバーやネットワークを運用・管理するオンプレミスは、システム環境を自由に構築できるというメリットがある一方、導入と管理に莫大なコストがかかるのです。ゆえに現在では、ITベンダーが提供するサブスクリプション方式のクラウド環境にITインフラを構築するのが主流となっています。

現地の会計制度への対応

ERPの導入により、本社と海外拠点の財務会計情報を一元管理できるようになります。しかし、国内のERPシステムの中で、海外の会計制度に対応可能なものは多くありません。グローバルな事業展開を目指すのなら、現地の会計制度に準拠したERPを導入することが必須となるでしょう。

多言語・多通貨への対応

グローバル事業を展開するにあたり、言語と文化の違いは想像以上に大きな壁です。国内事業であれば問題なく進められる業務でも、言語や通貨単位の違いによって、ミスや遅れの原因となる可能性があります。世界を意識した事業展開を目指すのであれば、正確な情報をリアルタイムに共有する必要があるでしょう。そのため英語や中国語など、世界各国の様々な言語や通貨に対応しているERPの導入を検討しなければなりません。

専任のIT技術者の配置

導入後にシステムを保守・管理するエンジニアの存在は必要不可欠です。しかし、海外拠点のエンジニアが、国内エンジニアより優れているとは限りません。日本では一般的なスキルであっても、海外のエンジニアは全く使うことができないケースも多くあります。

基幹系情報システムの管理は、経営戦略に直結する非常に重要な業務です。現地に十分なスキルをもつエンジニアがいないケースも想定して、対策を練らなければなりません。そこで、現地でのIT管理者を必要とせず、システム運用を一元管理できるクラウドERPの導入を検討すべきでしょう。

クラウドERPが企業の海外進出をサポート

クラウド型のERPとしておすすめしたいのが、HOYAデジタルソリューションズが提供する「Microsoft Dynamics 365」です。「Microsoft Dynamics 365」は、サポート終了が迫る「Microsoft Dynamics AX」からのアップグレードが可能です。失敗のできない基幹系情報システムだからこそ、リスクの少ない方法で移行をサポートします。国内だけでなく、海外拠点も含めた組織全体の業務効率最大化のためにも、ぜひ「Microsoft Dynamics 365」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

世界市場を視野に入れた事業展開を目指すのなら、基幹系情報システムを一元管理するERPの導入は必須事項です。文化も言語も異なる海外市場でシェアを獲得していくためには、企業がもつリソースを最大限活用しなければなりません。そのためには、本社と海外拠点が情報を正確かつタイムリーに把握して、共有する必要があるでしょう。ぜひ、今回の記事を参考にして、ERPシステムの導入を検討してみてください。

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