AIで製造業のDXを実現する取り組みを解説

 2021.09.21  HOYAデジタルソリューションズ株式会社

ドイツ政府主導のもとで「インダストリー4.0」が提唱され、製造業は大きな転換期を迎えています。そんな中、製造業に革命をもたらす技術として注目を集めているのが、AIやIoTの活用です。本記事では、製造業が抱えている課題を考察するとともに、AIやIoTを活用してDXを実現するための取り組みについて解説します。

AIで製造業のDXを実現する取り組みを解説

日本の製造業が抱える課題

国内の製造業は今、さまざまな課題を抱えています。かつて日本は燃料資源や工業原料などを海外から輸入し、それらを加工・製品化して輸出することで大きな経済成長を遂げてきました。エネルギー資源に乏しい国でありながら、「貿易」と「ものづくり」によって、1968年から2010年まで42年間にわたり、世界第2位のGDPを保っていたのです。

しかし、2011年に中国にGDPを追い越されて以降、貿易赤字になる年が目立つようになり、さらには主力分野である製造業の成長にも減速の兆しが見え始めます。その背景には複数の要因があり、とりわけ大きな影響を及ぼしているのが人口減少と少子高齢化です。日本の総人口は、2008年の1億2,808万人をピークに下降の一途を辿っています。また、総人口に対する高齢化率は28.7%となっており、先進諸国の中でもトップの比率です。

人口減少と少子高齢化の影響も相まって、製造業では慢性的な人材不足が顕在化しています。経済産業省が発行した「2020年版ものづくり白書」によると、製造業を営む企業の多くが人材不足の深刻化を訴えています。また、製造業では若年者の入職者数が年々減少しており、就業者の高齢化も大きな課題です。このような社会背景から、製造業では「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の実現が、焦眉の急を要する経営課題として認識されています。

なぜ製造業にDXが求められるのか

DXとは、デジタル技術を活用することでマネジメントやビジネスモデルそのものに変革をもたらし、市場における競争優位性を確立することです。20世紀後半に起きたIT革命によって情報通信技術が大きく進歩し、その恩恵を受けてさまざまな産業が発展しました。しかし、製造業はITの活用が遅れている業界とされ、デジタル技術を活用したDXの実現が急務となっているのです。

製造業でDXが推進される背景には、「インダストリー4.0」が大きく関わっています。インダストリー4.0とは、2011年にドイツ政府によって提唱された概念で、「第4次産業革命」を意味しています。蒸気機関の発明による「第1次産業革命」、石油と電力による大量生産が始まった「第2次産業革命」、そしてコンピュータの発明による「第3次産業革命」と、産業構造そのものを大きく変えた革命がこれまで3度ありました。そして、AIやIoTの活用による4度目の技術革新が、このインダストリー4.0です。

インダストリー4.0を推進しているのはドイツだけでなく、アメリカや中国はもちろん、IT大国のインドでもさまざまな産業政策を掲げています。「ものづくり大国」と呼ばれた日本にとって、製造業は主要産業であり、グローバル化やIT化が進んでもその重要性は変わりません。そのため、国内だけでなく国際市場に目を向けた競争優位性の確立が求められます。このような背景から、製造業ではDXの実現が喫緊の経営課題となっているのです。

製造業におけるDXとは

製造業は人材不足や技術継承問題という深刻な課題を抱えており、これらを解消するためにはDXの推進が不可欠といえます。そんな製造業においてDX実現の要となるのが、AIやIoTの導入によるビッグデータの活用です。

情報通信技術の進歩によって、社会は驚異的な発展を遂げました。しかし、その裏で企業が取り扱う情報量は指数関数的に増大しています。今や情報はヒト・モノ・カネに次ぐ第4の経営資源であり、企業は膨大な経営データをいかに活用するかが問われています。AIやIoTといったデジタル技術を導入し、製造現場の膨大な業務データを有効活用することが、DX実現の鍵となるでしょう。

製造業DXの最新トレンド

製造業DXの最新トレンドとして、AIやIoTといった最先端テクノロジーの活用が注目を集めています。とくにインダストリー4.0を実現する要として注目されているのが、「スマートファクトリー」です。

スマートファクトリーとは、駆動装置や電子機器などの生産設備とAIやIoTをネットワーク接続し、施設内のあらゆるデータを統合管理する先進的な工場を指します。高度な情報処理機能を搭載したスマートフォンが電話の歴史を大きく変えたように、高度な情報通信技術を導入したスマートファクトリーが製造業に改革をもたらすとして、大きな期待が寄せられています。

そのほかにも、AIやIoTを搭載した製品を提供するだけでなく、その製品を使用したサービスを提供する「サービス化」や、受発注や部品調達のIT基盤を提供する「プラットフォーム化」など、新たな付加価値を提供している企業もあります。たとえば、システム開発企業やソフトウェア開発企業がSaaSやPaaSとしてクラウドサービスを提供しているように、製造業でも製品そのものを販売するだけでなく、それに付随するサービスを提供するという潮流が生まれているのです。

AIを活用することで解決できる製造業の課題

AIやIoTを活用することで得られるメリットとして、主に「生産性の向上」「労働力不足の改善」「技術の継承」の3つが挙げられます。これらのメリットは、製造業が抱えている課題を解決へと導く一助になるでしょう。ここからは、AIによって製造業が抱える課題をどのように解決できるのか、具体的に解説していきます。

生産性の向上

AIやIoTを導入することで得られる大きなメリットのひとつが、生産性の向上です。製造現場には、必ずといっていいほどマニュアルがあります。しかし、人が作業する以上、どうしてもヒューマンエラーが生じる可能性は否めません。AIやIoTを導入することで、手間のかかる作業を自動化したり、従業員の作業を可視化したりできるようになり、生産性の改善や品質の安定につながります。

とくにAIの導入によって、不良品の仕分けや混入検品、作動検品など、これまで目視で行っていた検品業務を自動化できる点は非常に大きなメリットです。このような検品業務はAIの最も得意とする分野であり、その検品精度は人間を遥かに凌駕します。AIやIoTの導入によって、膨大な業務データの統合管理や作業のオートメーション化、検品の高精度化や設備の故障予知など、従来では考えられないほどの生産性が期待できるでしょう。

労働力不足の改善

先述したように、人口減少と少子高齢化の影響も相まって、日本の製造業は深刻な労働力不足に陥っています。入職者数の減少や就業者の高齢化も深刻な課題です。ものづくりに携わる製造業では、提供する製品の品質が企業価値に直結するといっても過言ではありません。そのため専門知識や高い技術、そして豊富な経験を備える人材こそが、価値創造の源泉となります。

しかし、国内の人口減少や少子高齢化はさらに深刻化していくと予測されており、製造業の人材不足という課題も解決を見込める状況ではありません。だからこそ、AIやIoTの導入によって作業をオートメーション化できれば、より少ない人的リソースで業務の効率化が図れます。また、余った人材を別の工程や重要度の高いコア業務に配置できる点も大きなメリットです。

技術の継承

製造業の慢性的な人材不足による影響は、何も業務効率や生産性の低下だけにとどまりません。人材不足によって、「ベテランがもつ技術や知識の継承が困難になる」という課題にもつながっています。製造業は高い技術と深い知識が求められる業務であり、専門家やベテランの熟練の技に依存してきた作業も多くあります。それらのノウハウが正しく継承・共有されなければ、後進が育たなくなり、製造業の衰退は加速する一方です。

そこで重要となるのが、ベテランの暗黙知を企業内で共有する「ナレッジ管理」です。AIを導入することで、長年培われた職人の経験や勘を継承することが可能になり、ナレッジ管理の最適化が実現します。AIを用いて「熟練のスキル(暗黙知)」を「言語化・マニュアル化(形式知)」し、組織全体で共有すれば、技術継承が容易となるでしょう。

「AI/マシンラーニング サービス」が製造業のDX実現を支援

DXを実現するためには、優れたITソリューションの活用が欠かせません。そこでおすすめしたいのが、HOYAデジタルソリューションズが提供する「AI/マシンラーニング サービス」の導入です。当社は最新テクノロジーを活用した情報システムの企画・開発を行う企業であり、AIを活用したさまざまなサービスを提供しています。

たとえば、AIによる画像認識や予知保全、外観検査やマシンラーニングなどが挙げられます。こうしたITソリューションの導入こそが、DX実現への第一歩となります。「AI/マシンラーニング サービス」の詳しい情報を知りたい方は、下記URLをご覧ください。
https://www.hoyads.com/service/ai

まとめ

製造業に携わる企業にとって、DXの実現は喫緊の経営課題です。そして、DXを実現するためには、AIやIoTといったデジタル技術の活用が欠かせません。また、製造業が抱えている人材不足や就業者の高齢化といった課題をクリアするためにも、最先端テクノロジーが必要不可欠といえるでしょう。DXを実現し、新たな市場価値を創出するためにも、AIやIoTを搭載したソリューションの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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