製造業で電子化を導入する際に考慮すべき4つのポイント

 2021.08.24  HOYAデジタルソリューションズ株式会社

※本稿はマスターコントロール社のWebサイトに掲載された内容を同社の許可を得て掲載しています。

製造業における電子化は今に始まったことではないですが、2020年では当初の予定を前倒しする形で、デジタルソリューションの導入を多くの企業が余儀なくされる事態が発生しました。マッキンゼー社が経営者に対して実施した調査では、新型コロナウイルスの影響により、サプライチェーンにおけるコミュニケーションや社内業務の電子化が3-4年、前倒しになったと回答しています。他で注視すべきは、クラウドへの移行が54%増加した点や、AI(人工知能)や高度な分析といった新技術の利用が50%増加している点が挙げられます。また、デジタル化に対応した各企業の製品は、ここ7年間で増加傾向にあります。

製造業で電子化を導入する際に考慮すべき4つのポイント

同社の調査によると、今回の危機的状況に対して適切に対応できていた企業では、様々なテクノロジーも活用しており、新たな技術の利用に対する試み等に関しても積極的であると述べています。

また、成熟した電子化を実現できている企業は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の状況下でも競合他社を凌駕し、今後も業界をリードしていくことが予想されています。マッキンゼー社が公開した他のレポートでは、業界のリーダーと位置付けられる一部の企業は、インダストリー4.0を活用し、新しい業務の在り方または既存のプロセスを強化する手法を見つけ出しており、以下のような利点に導いています。

  • 機械のダウンタイムを30%〜50%削減
  • 生産性を15%-30%向上
  • 処理能力を10%〜30%向上
  • 品質に関わるコストを10%〜20%削減

また、このようなプロセスを構築することで、需要に対応する為の柔軟性を向上や市場展開までの時間の短縮、サプライチェーンにおける統合性の強化など、従来は定量化が困難であった重要な利点を明らかにしています。
今回の危機的状況下で、企業が実現した電子化の変革は、混乱が収束した後も継続していくことが想定されています。ボストン・コンサルティング・グループ社の調査でも、80%以上の企業がデジタル・トランスフォメーションのスピードアップを目指しており、このような取り組みや戦略面においても必要であると述べています。

電子化が適用可能な4つの分野

テクノロジーを活用して業務改善を目指している場合、下記の4つの分野に対する電子化の適用方法を検討する必要があります。

1:クラウドの導入

連携可能なクラウド技術に移行することで、異なるプラットフォームを統合し、システムやプラットフォームが孤立するといったサイロ化を解消することで、データ管理やアクセスの改善、リアルタイムのコミュニケーションやコラボレーションを実現することができます。また、クラウドの優れた拡張性により、データの収集に特化したアプリケーションを導入し、より詳細で正確なリアルタイムのデータ分析が可能になります。

2:データインテリジェンス

電子化された製造記録で運用することにより、従来は取得できなかったデータまでも活用することで、ビジネスインテリジェンスを実現し、システムや拠点、部門間において、リアルタイムで製造データの取得や共有、活用が可能となります。また、データのサイロ化を解消することで、AI(人工知能)や機械学習(ML)などの高度な分析アプリケーションの適用を加速することができます。結果として、経営陣はデータに基づいた判断が可能となり、製造現場においても、最新の情報に基づき、業務を遂行する上で必要となるツールやデータを提供することができます。

3:設定変更可能なアプリケーション

柔軟性に優れ、設定変更可能なソフトウェアを活用することで、基幹システムの限界を超えた電子化を実現することができます。製造実行システム(MES)に代表される既存の製造分野向けソリューションは、そのような柔軟性が欠けており、変更に膨大な作業が必要となりがちです。MasterControl Mxのような設定変更可能なソリューションを活用し、より企業のニーズに合わせたアプリケーションで運用することで、基幹システムとしてより幅広い利用を実現することができます。

4:連携されたプラットフォーム

複雑なシステム連携から、モジュールレベルでの連携に移行することで、よりタイムリーに運用可能なデータインテリジェンスを実現することができます。アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)やサービスとしての統合プラットフォーム(iPaaS)ソリューションによって連携されたシステムは、汎用性の高い連携環境を提供し、複数のシステム間におけるデータの整合性も向上させます。その結果、システムの価値を最大限に引き出すことが可能となり、製造業務の合理化を実現することができます。

まとめ

電子化のスピードは重要な転換点に来ており、今後も進化していくことが予想されています。製造業務の合理化や業務の改善、市場競争を勝ち抜く為には、紙文書の管理などに時間を浪費するのではなく、より効率的で効果的な業務を、従業員が遂行する上で必要不可欠なツールやデータで提供することが極めて重要です。

1. “How COVID-19 has pushed companies over the technology tipping point—and transformed business forever,” Laura LaBerge, Clayton O’Toole, Jeremy Schneider and Kate Smaje, McKinsey & Company, October 2020.

2. “Preparing for the next normal via digital manufacturing’s scaling potential,” Enno de Boer, Søren Fritzen, Rehana Khanam, and Frédéric Lefort, McKinsey & Company, Apr. 10, 2020.

3. “Digital Acceleration Is Just A Dream Without A New Approach to Tech,” Karalee Close, Antoine Gourévitch, Marc Schuuring, Marc Sterman, Lucas Quarta, and Aziz Sawadogo, Boston Consulting Group, 2020.

著者のご紹介

David Butcher

ニューヨーク州立大学パーチェス校にてジャーナリズムの学士号を取得後、Technology Marketing社及びThomas Publishing社にて編集者として従事、現在はマスターコントロールのMarketing Communication Specialistを担当しています。

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