製造業にAIが求められる理由や導入する5つのメリットを紹介!

 2021.10.19  HOYAデジタルソリューションズ株式会社

人手不足が叫ばれる中、製造業においてはAIの活用が注目されています。本記事では、なぜ今AIの導入が必要なのか、また導入することで具体的にどのようなメリットを享受できるのかについてご紹介します。自社へのAIの導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

製造業にAIが求められる理由や導入する5つのメリットを紹介!

製造業にAIが必要な理由

製造業の多くは現在、さまざまな問題を抱えています。代表的なものとして、少子高齢化や人口減による人材不足、若手技術者の減少による技術継承の難化、デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応の遅れなどがあります。労働力が不足する一方で、グローバル化や製品の品質の担保、ビジネスモデルの変革を迫られている厳しい状況であり、これらを打破するにはAIを中心としたDXの実現が不可欠とされています。

経済産業省の「製造基盤白書(ものづくり白書)2020年度版」においても、製造業におけるデータ活用の遅れが課題であると指摘されています。同書では、DXを推進することは生産性の向上だけでなく、新たなサービスの創出ももたらす可能性があると述べています。

製造業は今後、これらが原因で従来のビジネスモデルでは立ち行かなくなる可能性があり、早急な変革が求められているのです。

なぜAIの導入が進まないのか

日本経済研究センターが2017年1月に実施した調査「日本企業のAI・IoTの導入状況」によると、国内の製造工程におけるAI導入率は11.2%にとどまっています。また、検討段階にある企業が約2割、「今後も導入しない」としている企業が4割弱であり、AI導入が進んでいくにはまだ時間を要すると見られています。

なぜ、これほどにも日本企業でのAI導入が進まないのでしょうか。それは、導入するまでにも課題が多く山積しており、現状として導入になかなか踏み切れない企業が多いためです。AIは何らかの機械を設置すれば働いてくれるわけではなく、「どの作業をAIに任せるのか」「そのためにどのようなデータが必要か」をまず明確にする必要があります。データ収集や分析など、AIを構想する段階ですでにハードルが高いと感じる企業が多く、導入に二の足を踏んでしまっているのが現状です。

製造業にAIを導入する5つのメリット

製造業にAIを導入することは、具体的にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。ここでは、AIがもたらす主なメリットを5つご紹介します。自社の状況と照らし合わせて、どのような利点があるのかをチェックしてみてください。

業務効率化

製造業においては、いかに効率よく製品を作り出していけるかが、生産性や収益を上げるカギとなります。AIを導入することで、設計通りに作業を進められているか確認したり、ヒューマンエラーがないかチェックしたりといった各工程で、これまで足かせとなっていた手間やトラブルを未然に検知・予防できます。人手や時間がかかっていた検品作業なども、機械学習しながらより正確に判断することが可能となるのです。

また、AIは専門家やベテランの技を継承し、これまで個々人の技術やスキルによってばらつきが出ていた作業効率を均一化します。これにより全体的な生産性を向上させるとともに、製品の品質を均一に保つことが可能です。

生産現場の安定

経験者の熟練の技に頼る部分などが大きい製造現場では、人間が作業する以上、どうしてもヒューマンエラーが起こってしまう可能性があります。それにより納期が遅れ、予定外の損出が生じることもあるかもしれません。

AIの導入により、ある程度の作業が自動化され、また人が行う作業についても可視化できるようになります。具体的には、それぞれの製造現場に合わせて、どのような事故やヒューマンエラーが起こりうるのかを機械学習し、それらの兆候を見つけるとアラートを発して未然に防ぎます。さらに、検査工程まで可視化が広がっていけば、品質の安定や自動化が進むことによる生産性の改善などにもつながります。

人件費削減

少子高齢化が進む日本では今後、労働力不足が進んでいくと見られています。パーソル総合研究所・中央大学が共同発表した「労働市場の未来推計2030」によると、2030年にはすべての業種において644万人、製造業では38万人の人手不足に陥ると予測されています。

現在よりさらに人手が足りなくなる中、これらの労働力を補えるのはAIです。たとえば、これまで目視による検査で5人の作業者を要していたところを、AIを用いた画像検知システムの導入により1人に削減できれば、省人化や人件費の抑制につながります。また、浮いた人的リソースをより注力すべき業務に配置するなど、業務改善しながらムダを洗い出し、企業のスリム化を図ることも可能です。

事故の防止

生産現場では大型重機や取り扱いに注意が必要な有害物質など、危険を伴うものを扱うことが多く、ヒューマンエラーによる作業員の死亡事故などが度々起きています。人間が仕事をする限り、リスクは常に付きまとうものですが、事故やトラブルが極力起きないように取り組まなければなりません。

AIは作業をサポートするだけでなく、こうした事故の防止にも役立ちます。工場内で危険が発生するケースをディープラーニングし、モニタリングで危険を感知する機能や「ヒヤリハット」につながる場面を分析しながら、事故が起きない環境設計などを行えます。

労働災害を起こさない環境は、従業員を守るだけでなく、業務効率化や安定した生産性を維持することにも直結します。今後はAIを用いて、より精度の高い事故防止を実現することが必要となってくるでしょう。

設備の予知保全

先述の人間に対する安全管理と同時に、生産現場においては機械や設備を維持していくことも重要な要素です。ひとたび不具合が生じたり、ちょっとした点検・修理を挟んだりすれば、計画に沿った生産ができず、納期に遅れてしまうなどのトラブルに発展しかねません。

AIによる予知保全は設備の状態を最適化し、不具合の早期発見を可能にします。故障などを未然に防ぐことは、大きなトラブルが起こりにくくなるだけでなく、保守やメンテナンスにかかるコストの削減にもつながります。

まとめ

製造業にAIを導入すれば、今ある労働力不足や技術継承の問題を解決に導けるだけでなく、業界全体でグローバル化やDX化によるビジネスモデルの変化への対応力を身につけていくことにも寄与します。具体的なメリットとして、業務効率化や生産性の向上、省力化による人件費の削減や保守・メンテナンスのコストカットなどが挙げられます。この機会に、自社にAIを導入するとどのような利点があるのかを考え、導入に向けてどのようなステップを踏むべきかをご検討されてみてはいかがでしょうか。

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