異常検知とは?製造現場における活用事例もご紹介

 2021.11.16  HOYAデジタルソリューションズ株式会社

「異常検知」は、製造業の品質や安全性を維持するうえで欠かせない取り組みのひとつです。現在では、AIや機械学習を活用した異常検知の技術が進歩し、異常検知の精度は大きく高まっています。本記事では、異常検知の概要や、製造業における活用事例をご紹介します。

異常検知とは?製造現場における活用事例もご紹介

異常検知の概要

「異常検知」とは、膨大な量のデータのうち、ほかと一致していないデータをデータマイニング(大量のデータを分析して、自動的に特定のパターンや傾向を発見する技術)によって識別する技術のことです。この場合の異常とは、通常の動作として定義された概念から逸脱するデータパターンを指しています。

異常検知は幅広い業種で行われており、さまざまな手法があるため、目的に応じた方法を選択することが重要です。代表的な手法としては、「外れ値検知」「異常部位検出」「変化点検知」の3種類があります。以下では、それぞれ簡単にご説明します。

外れ値検知

データ点を検出単位として、異常なデータ点を検知する際に用いられます。製造業においては、正常な状態から外れた点(外れ値)を見つけ出すために、機械学習を用いた異常検知が行われることが多くあります。ほかにも、株価指数の急激な値上がりや下落を自動的に検知する場合などにも活用されています。

異常部位検出

部分時系列を検出単位として、顕著な異常が起きている部分時系列を検知します。たとえば医療現場において、心拍数の急激な変動を抜き出したい場合などに活用されています。

変化点検知

データパターンが急激に変化する箇所を検知するためのアルゴリズムです。たとえば検索エンジンにおいて、特定ワードの検索数が一時的に急増した時点を検知する際に活用されています。

外れ値検知の手法

AIと機械学習(マシンラーニング)を活用することで、人間では認識できない微妙な差異や、機械の異常も検知できるようになります。ここからは、製造業でよく使われる外れ値検知について、機械学習を用いた手法をご紹介します。

ホテリング理論

「ホテリング理論」とは、平均や分散といった統計モデルを軸とし、分析する人の主観によらず、確立的に外れ値(異常値)を検出する手法のことです。異常検知の中ではもっともポピュラーな手法といえます。

この技術を用いた異常検知を実施するには、外れ値を見つけるための基準が必要です。そのため、外れ値の少ないデータ群を用意し、これを正規分布と仮定してデータを評価します。なお、基準となるデータ群が正規分布でない場合は、対数変換などを行って正規分布にする必要があります。

k近傍法

「k近傍法」とは、機械学習でいう「分類」に使われる手法のひとつです。もっともシンプルな機械学習アルゴリズムで、確率分布を仮定しないのが特徴です。

ホテリング理論では、データが正規分布から生成されていることを前提とするため、対象のデータが多数のクラスターからなる場合、外れ値をうまく除外できません。対してk近傍法では、未知のデータが与えられた場合、各データ点から距離が近い任意の数(k個)のデータを取得し、多数決で該当データの分類を推定します。

なお、各点からもっとも距離が近いデータとの距離を計算し、異常を検出する方法を「最近傍法」といいます。最近傍点までの距離があらかじめ設定している閾値を超えた場合には、そのデータを異常と判定します。

局所外れ値因子法(lof法)

k近傍法では分析者があらかじめ閾値を設定しておく必要がありますが、データが多次元にまたがる場合には、閾値の設定は容易ではありません。そのため精度に不安があり、クラスター内のデータ密度が大きく異なる場合、データが不適切になる可能性があります。この課題を解決するために使われるのが「局所外れ値因子法(lof法)」です。

閾値を設定しておくk近傍法と異なり、lof法ではデータの集まりを空間における密度に置き換えます。対象となるデータの局所密度を、その近くにあるクラスターの局所密度と比較して、周囲と比べて極端に密度が低い点を特定し、そのような点を外れ値とみなします。この方法では、特定のクラスター内から外れ値を検出するため、特定の閾値の設定が難しい複雑な要素で構成されたデータ分布にも対応できます。

製造現場におけるAI異常検知の活用例

ここからは、製造現場におけるAI異常検知の活用例をご紹介します。代表的なのが、外観検査と機械の故障予測です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

外観検査

製造業において、継続的に品質を保証するためには、生産ラインの「外観検査」が不可欠です。これは、主に製品の表面に付着した汚れや傷、欠け、変形、異物混入といった外観上の欠陥を検出するための作業のことです。従来は人が目視で検査を実施していましたが、作業員の負担が大きく、不良品を見落としたり、作業員の経験によって判定結果にばらつきが生じたりするなどの問題がありました。

こうした課題への対処法として、現在導入が進められているのが、AIと画像認識技術を活用した不良品の自動検出です。製品の正常な状態と異常な状態の画像をコンピューターに大量に読み込ませ、AIに画像の特徴と良品・不良品のパターンを学習させることで、撮影した画像や映像から良品・不良品を区別します。

なお、従来の画像認識では、AIにパターンを学習させるためのアルゴリズムは、専門知識のある技術者でなければ作成できませんでした。しかし近年では、さらに技術が進歩し、ディープラーニング(深層学習)によってAI自らパターンを学習し、アルゴリズムの作成までを自動で行うことも可能となっています。

機械の故障予測

「機械の故障予測」とは、IoTとAIを活用した予知保全技術のことです。通常、どのような機器であっても、故障や異常が起こる前にデータ出力の異常や異音が発生します。しかしながら、人間の感覚ではこれらの異変を感知できません。

対象となる機械や設備にセンサーを取り付け、センサーから取得したデータをAIで解析することで、AIが異常な挙動を検知し、故障や不具合の発生を予測できます。それにより、ラインの操業停止を未然に防ぎ、工場の稼働率を高めることが可能になるのです。

HOTAの「AI画像認識サービス」で正確に異常を検知

HOYAデジタルソリューションズでは「AI/マシンラーニング サービス」として、画像認識・予知保全・外観検査・マシンラーニングの4つのソリューションを提供しています。今回は、そのうち画像認識を活用した「Voyance Scouter」についてご紹介します。

AIはもはや大企業だけが導入できる特別な技術ではなくなり、中小企業であっても活用できるようになっています。Voyance Scouterは、多種多様なAIソリューションの中で特にニーズの大きい画像認証に機能を限定することで、低予算を実現した画像認識サービスです。

機能は「画像分類」「物体検出」の2種類です。画像分類では、画像に写っている物体が、事前に定義されたラベルのどれに当てはまるかを識別します。一方の物体検出では、画像に写っているすべてのラベルと、物体の位置を識別することが可能です。

Voyance Scouterは、最小構成での提供の場合、最短3営業日で利用を始められます。最低17枚の学習用画像データがあれば、機械学習に必要なモデルを作成できるため、画像認識を試験的に導入したいという企業にもおすすめです。自社のニーズや予算に合わせてシステムを構築できるため、画像認識に興味をお持ちの企業様は、どうぞお気軽にご相談ください。

まとめ

膨大なデータの中から異常なデータを見つけ出す異常検知の技術は、AIや画像認識といった最新技術の登場によって大きく発展し、今や自動化までできる時代となりました。作業員の負担軽減や人手不足につながるだけでなく、人的ミスを減らすことで、検査の精度をより高めることも可能です。製造業のさらなる効率化を目指すためにも、HOYAデジタルソリューションズの画像認識ソリューションをぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

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