スマート工場とは?各国の取り組みや実現するメリットを解説

 2021.08.10  HOYAデジタルソリューションズ株式会社

ドイツ政府主導のもとでインダストリー4.0が提唱され、いま製造業は大きな転換期を迎えています。そういった状況下、大きな注目を集めているのがAIやIoTを活用したスマート工場です。本記事では、スマート工場の概要について解説するとともに、各国の取り組みや、実現するメリットなどを紹介します。

スマート工場とは

近年、さまざまな分野でデバイスにインテリジェントなシステムを搭載する「スマート化」が進んでいます。たとえば、高度な情報処理能力を搭載したスマートフォンやCPUを搭載したスマートウォッチなどが最も身近な例です。ほかにもスマート家電やスマートオフィス、さらには街そのものをスマート化するスマートシティなど、多くの分野でAIやIoTを活用したモノのスマート化が進んでいます。

こういったスマート化の潮流は製造業にも波及しており、大きな注目を集めているのがデジタル技術と生産施設が融合した「スマート工場」です。スマート工場とは、AIやIoTといった最先端テクノロジーと生産設備や工作機械などをネットワーク接続し、製造管理や情報管理の最適化・効率化を図る工場を指します。端的に言えば、生産設備の稼働状況をネットワーク上から統合的に管理する先進的な工場、ということになります。

スマート工場化に不可欠なAI・IoT

スマート工場を実現するために不可欠となるのがAIやIoT、あるいはビッグデータ分析といった最先端テクノロジーです。スマート工場を実現するキーワードとして「可視化」「制御」「自動化」の3つが挙げられます。1つ目の「可視化」とは、駆動装置や電子機器などの生産設備とAIやIoTをネットワーク接続することで、工場全域におけるあらゆるデータを見える化することです。

2つ目の「制御」は、工場全域を可視化して収集された膨大なデータをAIやIoTが分析して最適化することを指します。そして、3つ目の「自動化」は、AIやIoTが工場内の全データを収集・分析することで、生産管理や品質管理、進捗管理や在庫管理など、さまざまな業務プロセスを自律的に実行する仕組みです。これらを実現するためには、生産設備と最先端テクノロジーの融合が不可欠であり、「機械と機械」「機械と人」をつなぐAIやIoTの活用が必須といえるでしょう。

世界中で導入が進むスマート工場への取り組み

2011年にドイツ政府主導のもとで第4次産業革命を意味する「インダストリー4.0」が提唱され、製造業では世界規模の変革を迎えようとしています。かつて18世紀半ばから19世紀にかけて蒸気機関による技術革新「第1次産業革命」が起こり、人類の生産活動の中心は農業から工業へと移り変わりました。19世紀後半には石油と電気を動力源とする「第2次産業革命」が起こり、第1次産業革命を上回るほど機械化が拡大します。そして、20世紀後半になるとコンピュータが誕生し、情報通信技術の活用による「第3次産業革命」が起こりました。

これらに続く大きな革命となるのが、AIやIoTによる技術革新「第4次産業革命」です。第4次産業革命は、人工知能を基盤としたビッグデータ分析やIoTによるモノのインターネット化によって、あらゆる産業分野がデジタル化・ネットワーク化・オートメーション化されていくと予測されます。機械による労働の自動化、生体認証技術によるキャッシュレスやカードレス化、ディープラーニングによる教育革命、遺伝子工学やナノテクノロジーを用いた生体技術革新など、産業構造に大きな変革が訪れようとしています。このような技術革新の実現による産業体制の構築こそ、ドイツ政府が掲げるインダストリー4.0です。

インダストリー4.0に基づくスマート工場への取り組みを推進しているのはドイツだけではありません。たとえば、中国は2025年までに世界の製造強国入りを目指す「中国製造2025」という産業政策を掲げています。IT大国と呼ばれるインドでは「Make in India」というプロジェクトの名のもとに工場のスマート化が推進されています。日本でもAIやIoTといった最先端テクノロジーの導入を検討している企業に対し、スマートものづくり応援隊を派遣したり、設備投資に対する補助金制度を用意したりと、さまざまな支援を推進しています。

スマート工場を実現するメリット

工場をスマート化することで得られるメリットは主に3つあります。それが「設備の故障予知」「品質の安定」「遠隔操作による省人化」です。ここからはスマート工場を実現することで享受できる3つのメリットについて解説します。

設備の故障予知

工場内のあらゆる生産設備や工作機械を常時ネットワーク接続し、24時間体制でモニタリングすることで設備の異常や故障の予知が可能になります。製造業において設備や機器のトラブルは避けようがありません。しかし、生産設備の故障は業務効率の低下を招くため、いかにしてトラブルを未然に防ぐかが重要です。そのため、多くの工場が定期的なメンテナンスや設備診断を行うなど、予防保全を実施しています。AIやIoTの導入によって工場をスマート化できれば、設備環境を見える化し、常に計測することで、予知保全の自動化が可能となるでしょう。

品質の安定

製造業において最も重要な経営課題のひとつが製品の品質管理です。製品の品質は企業価値を左右する要素でもあるため、製造業では不良品率の改善を非常に重要視します。このような不良品の検知はAIの最も得意とする分野です。AIを活用した外観検査システムを導入することで、従来は目視で実施していた製造ラインの不良品検知を自動化できます。人間の目視とは比較にならないほどの精度で傷やクラック、バリなどの検品が可能になるため、品質の向上と安定に大きく貢献するでしょう。

遠隔操作による省人化

製造業は人手不足という問題が深刻化している業界です。経済産業省のレポート「製造業における人手不足の現状、および外国人材の活用について」によると、実に94%以上もの企業が人手不足に悩まされているという調査結果が出ています。遠隔操作システムやロボット技術を製造業に取り入れられれば、これまで難しいとされてきた現場の省人化が可能になります。そして、遠隔操作による省人化が実現することで、製造業全体の経営課題である人材不足の解消につながるという点が大きなメリットです。

HOYAが提供する「IoTソリューション」

近年、さまざまな産業で「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の実現が喫緊の経営課題となっています。デジタルトランスフォーメーションとは、最先端のデジタル技術を活用して企業の在り方そのものに変革をもたらし、競争優位性を確立する取り組みを指します。そして、製造業におけるDX推進の鍵となるのがスマート工場の実現であり、そのためには優れたソリューションの導入が欠かせません。そこでおすすめしたいのが、HOYAデジタルソリューションズ株式会社が提供するIoTソリューションです。

HOYAデジタルソリューションズ株式会社は、光学技術を中心としたグローバル企業HOYAのグループ会社として、幅広い業界にIoTソリューションやサービスを提供しています。たとえば「LW-360HR」は作業員の体温や心拍数、あるいは位置情報などの自動的な検知と測定が可能になるウェアラブルLoRaトラッカーです。ほかにも、作業員のストレス度や行動認識データなどをクラウドで管理可能になるバイタルモニタービーコン「MEDiTAG」を活用することで、リアルタイムでの遠隔モニターが可能になります。このようなIoTソリューションの活用がスマート工場を実現する第一歩となるでしょう。

まとめ

ドイツ政府主導のもとでインダストリー4.0が提唱され、いま製造業は大きな転換期を迎えています。このインダストリー4.0を実現する要となるのが、AIやIoTといった最先端テクノロジーを活用するスマート工場です。工場のスマート化はDX実現という観点においても不可欠な取り組みといえます。ぜひ、本記事を参考にして自社の経営戦略策定に活用してください。

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